“フィリピンのドゥテルテ大統領 都市部住民や高学歴層、海外在住者などが支持したのであって過激化する貧困層が支持したわけではない ようするに中産階級が勢力を広げ西欧的民主主義がフィリピンに開花した結果誕生したのが彼なのであって、格差による民主主義の破綻によって誕生した大統領ではない そもそも犯罪者十万人の非合法での処刑が公約 という事情があるので外国人がどうこう言うような問題じゃないと思う。というのはともかく彼にはちょっとした問題がある。いろいろと報道が錯綜しているが、就任二か月ぐらいでのスコアは 1000 人から 1500 人ぐらいらしい。フィリピンの大統領の人気は 6 年なので、このペースで殺していても殺せる人数はせいぜいが 5 万人がいいところだろう。 彼の年齢は現在 71 歳であることを考えると二期目というのは現実的ではない。ということは今のペースで殺していても全然公約を達成できない。警察官や暗殺団の大増員が必要なのではないか。ところがドゥテルテ大統領の経済政策はどちらかというと緊縮傾向にあり、累進課税の強化を謳っているがこれもどちらかというと低所得者層への減税という形で実行されそうな情勢である(中産階級への移行が進んでいるからこそこれができるという話でもある)。とすると警察官や暗殺団を養う資金を即時に確保することは難しい。 一方ドゥテルテ大統領は中国との領土問題について、中国からのインフラ支援があれば一時棚上げにするとも公約している。彼は全方位にヘイトをまき散らす外交をしているように見えるが、実際には中国との関係を密接にすることを志向しており、対中挑発もようするに領土問題の解決料金をレイズしているに過ぎない。日本とは友好関係を維持する方針のようだがこれもレイズの一貫、あるいは保険程度の話だろう。とすると中国マネー、という話もでてくるがこれも基本的にはインフラ整備という形式を越えることはできないだろうし、いずれにせよ暗殺団への支援なんていくらなんでも中国だってやりっこない。 再度言うが、ドゥテルテ大統領はフィリピンの中流以上の階級に支持される政治家なのであって、フィリピンにおいては犯罪者の殺戮こそが国民の真摯な願いなのだ。彼はこれを行わなければならない。しかし今現在のスコアは国民に約束したほどではないし、スコアを劇的に上げる手段を彼は何も講じていない。 彼が犯罪者を殺しすぎることによってフィリピンが不安定になる、というのではなく、彼が口ほどには犯罪者を殺せていないことによってフィリピンが不安定になる、という可能性を外国人は考慮しなければならないだろう。”
— 2016-09-30 - Diary